「農業(食)とお金」のおはなし
今回は、JA袋井南支店の小澤さまより、「農業(食)とお金」のテーマでお話いただきました。
地球温暖化による気候変動、社会情勢による燃料価格高騰、農業の後継者不足など、さまざまな視点で食と経済をみてみると、知らなかったことがたくさんありました。
野菜の値段が上がる理由
- 今、市場に出回っている作物でストックしているもの(小麦、米など)は収穫時期から逆算して種まきを行うため、収穫前に予想外の温度変化、大雨、干ばつなどがあると収穫量は減ってしまい、1年後、2年後に影響が出る。
- 技術がすすむほど、設備費が必要になり、設備費の分、値上がりする可能性がある。
- 輸入に頼る作物(バナナ)などは、輸入元の物価や円の価格の影響を受ける。
- 自給自足(家庭菜園)はとてもむずかしく手間がかかる。買ったほうが安い。
- お茶も、急須のある家庭が減っており、ペットボトルのお茶を買ったほうが手軽で安い。
年金、税金の仕組みを理解して、将来について考えてみよう
- 実は、家計で一番負担になっているのは「税金」
- 自分が亡くなったとき、年金や保険がいくら支払われるのかみてみよう。
グループワーク
前半で小澤さまからお話いただいたことをもとに、参加者同士でこれからの「食と経済」を考えてみました。
子育て世代・孫育て世代の食費と買い物
- 食費は困っていない。JAの直売所はよく利用している
- 家庭菜園って実は難しい(虫食い、病気などになりやすい)
トマト、大葉、ねぎは比較的育てやすい - 畑を管理していた祖母が亡くなり、畑作りがわかる人がいなくなってしまい、どうすればいいのかわからない。
- 生鮮野菜をまるごと購入すると、知識が無いために無駄な切り方をしてしまったり、腐らせてしまうのがもったいなくて、カット野菜や冷凍野菜を使いがち。
- JAでは、2022年6月より移動販売事業を始めた
地域のつながり作り=耕作放棄地の活用
- 耕作放棄地をJAが預かり、農家以外の方でも集まって農産物を作れる場にする事例がある。
- 近所づきあいのなかで、野菜づくりをきっかけに、高齢者の「作る楽しみ」「分け合う楽しみ」につながるのでは
袋井市の学校給食、市が補助する方向で議論が進んでいるそう
- 現在、給食で使われる袋井市の生産物は全体の3割。より安い地域産のものに切り替え、作業工程の見直しを行うなど工夫しているそう。
- とはいえ、家庭の負担が増えてしまう可能性は高い
子どもたちへの食育
- 学校と連携して総合学習の時間に農業体験を行っているが、学校側のカリキュラムがカツカツで、以前よりも使える時間が減っていると感じる
- 以前は学校内に給食室があり、作ったお米を調理して全学年へ振る舞うこともできた。
- 給食センターへいつでも見学、試食ができ、作物がどのように調理され、手元まで届いているか知るきかけが作れたらと思う
今回も、立場の異なる方々からご意見をいただくことができました。
グループワークのなかで出たアイデア、意見を持ち帰り、それぞれの立場で考えることが、問題解決の大切な一歩かもしれません。
次回の「おしゃべりサロン」は、8月開催予定
次回は8月に開催予定です。具体的な日にちが決まりましたら、ホームページなどで告知します。